ゲーム好きの子どもの親必見!ゲーマー親指って知っていますか?

こどもの手の疾患
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ゲーマー親指とは?


ゲーマー親指 (Gemer’s thumb)
とは、ゲーム好きの子ども達の間で見られるようになってきた腱鞘炎の別名です。ドケルバン病というのが正式な疾患名になります。ドケルバン病は、本来は大人に発症する腱鞘炎です。

ゲーマー親指の病態や治療はドケルバン病と同じですので、以前の記事を参考にしていただきたいです。

ドケルバン病について説明しています。
産前・産後の手の痛み:ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)

 

※ ゲーマー親指には、ドケルバン病のほか、親指のバネ指(これも腱鞘炎の一つです)も含まれます。
バネ指についてはまたどこかで詳しく説明したいと思います。

 

ゲーマー親指の原因

ゲーマー親指の原因は、やはり 親指の使いすぎ です。
最近のゲームって昔に比べて進化していますよね?
コントローラーのボタンを連打したり、素早く指を移動させて複数のボタンを押したり。親指にとってはかなりの負荷がかかっているようです。この腱鞘炎のために引退を余儀なくされたプレーヤーもいるんだそうです。

 

ゲームの登場人物によって動きが異なるため、プレーヤーによって指の痛む場所が違うんだとか。奥深いです。

ゲーマー親指に対するアドバイス

米国整形外科学会 (AAOS) は、ゲーマー親指にならないための4つの提言を行っています。
長時間のゲームの弊害として、ゲーマー親指だけでなく、姿勢の問題やそれによる肩や腰の痛みを予防することについても言及されています。
参考にしてみてください。

 

1. 休息をとる Take a break


ゲーム時間の制限を設ける
ことが最初のステップだとしています。そして、タイマーをセットして子どもがしっかりと時間を認識しやすいようにすることも大切です。
2016年版は、ゲーム時間を1日2時間以下にすることを推奨していましたが、最新版では言及していません。

お子さんの年齢や家庭環境にあわせて制限時間を設定してみてください。
個人的には1日2時間は多いなぁと感じます。

また、子どもがゲーム以外の楽しみを見つけられるように、親も協力する必要があることも書かれています。確かに、一方的に時間制限をして、ゲームを取り上げるというのは親子が対等ではないですよね。

 

2. 姿勢良くゲームをする Promote good posture

ソファにもたれかかって、好きなゲームをするのは至福の時だと思います。しかし、長期的に見るとその姿勢は腰や首、腕の痛みの原因になると指摘しています。

ゲーム中は時々、姿勢を正すよう促してあげましょう。

肩から頭を前のめりにせず、肩と頭が直立するようなイメージで座ります。



3. 体を動かす Get active

子ども達に体を動かすこと活動を見つけてもらうように協力してあげてください。当サイトで何度もお伝えしている外遊びの重要性がここでも生きてきます。関連記事:外遊びが最大のトレーニング

上肢や体幹の筋肉を鍛えたり、ストレッチをすることは腰・背部痛の軽減や手指、腕の凝りを解消してくれます。上肢や体幹を鍛えるというのは特別な運動をすることではなく、充実した外遊びで十分鍛えることができます。

4. 痛みが出たら潔くゲームを終える When in pain, quit the game

親指や手に痛みが出たら、症状の悪化を予防する前にゲームを終わらせましょう。装具を着けなくてもそれだけで酷使されていた指にとっては安静になります。もちろん、夜間装具など指を固定するものを着けても安静をとることも有用です。

こどもにゲームを止めさせることは簡単ではありませんよね。それでも「今休まないともっと痛みが出て、余計にゲームができなくなる」ということを説明していくしかないのですが。

ママ
ママ
 

ですよね…

どうしても症状が改善しなければ整形外科へ

痛みのためにペンを持てない、お箸を上手に使えないなど生活に支障が出るようなら整形外科を受診してください。
ゲーマー親指(ドケルバン病)には、ステロイドの局所注射、手術(腱鞘切開)と有効な治療法があります。

医師(第三者)に痛みの原因や今の指の状態を説明してもらい今後の予防法を聞くことで、親がガミガミ言わなくても自分でゲーム時間を加減するようになるお子さんもたくさんいます。

個別にいろいろとご質問、ご相談がある方は、オンライン保健室をご利用ください。お役に立てることがあると思います。

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